参入は2016年頃だったと思います。役場から「白老町としても力を入れていきたい」というご案内がありました。当時はここまでの市場規模になるとは思っておらず「新たな販売チャンネルが一つ増える」という思いからスタートしました。

当時は、〈虎杖浜たらこ〉を中心にプロパー商品をそのまま提供していました。その後、返戻割合が下がり、価格競争が激しくなってきたタイミングで〈スプレス〉さんが白老町に参入されたような記憶があります。

それまでの中間業者は、「商品を白老町のふるさと納税サイトに載せませんか？」という案内だけでした。一方〈スプレス〉さんは、マーケティングに基づいた効果的な企画商品をご提案していただき、圧倒的な違いを実感しました。

それまでは、贈答用のような箱入り商品を中心に展開していました。ところが〈スプレス〉さんは、主力サイトのユーザーの購買動向と、競合他社の返礼品などを分析した上でボリュームゾーンを割り出し、自家消費で値ごろ感がある商品を提案してくださいました。

「寄付者さまは、こういった商品を選んでいます」「寄付額のボリュームゾーンに食い込まないと、どんなに良い商品を作っていても知られていないのと一緒です」など、ふるさと納税事業のプロとしての目線ではっきりと意見を言い、「少量や小分けにしてこの値段、この企画で作れますか」というようにきめ細やかなアドバイスをいただき、ボリュームゾーンに訴求できる企画商品やパッケージまですべて一緒に考えてくれました。当社はこれまでそういった売り方をしたことがなかったので最初は不安が大きかったですが、〈スプレス〉さんと新商品の戦略を立ててから1カ月後に、ひと月で800個の売り上げを記録しました。直営店でも「ふるさと納税での人気商品」とPOPで打ち出したことで、販売促進につなげることもできました。

対応スピードが圧倒的に早い点です。これまでは新商品を出したいと中間業者に伝えると、情報公開までに1カ月近くかかっていました。一方で〈スプレス〉さんは、2、3日程度で仕上げてくださいます。メールで質問してもすぐに返信がくるので何でも相談しやすく、当社の商品を世の中にリリースするタイミングがとても早いので、機会損失がないところがありがたいです。さらに、商品ごとにページビューと転換率に基づいた広告制作やレビュー対策も迅速で、商品訴求の感度が上がりました。

加えて、閑散期の仕事を創出できた点も大きいです。以前までは、虎杖浜のスケソウダラの漁期とお歳暮シーズンが一段落する2月〜4月は、半日しか稼働しない日が多くありました。〈スプレス〉さんと協業後は商品が足りなくなるほど忙しくなり、安定的な雇用を維持できることで、スタッフのモチベーションも高まったように感じます。

白老町の実績も、〈スプレス〉さん以前は約6億円だったのが、年々伸びて現在は約15億円に増加しています。我々の町は従業員が20人以下の小規模工場が大半なのですが、それにも関わらず15億円を達成したことは紛れもなく〈スプレス〉さんの力だと確信しています。

経営の安定基盤の重要な1ピースを埋めてくれた大切なパートナーです。〈スプレス〉の従業員の皆さんは、多くの町、企業を担当しているにも関わらず、一生懸命対応してくださいますし、我々の本気に応えてくれていると感じています。

ふるさと納税の市場規模は現在約1兆円です。しかしながらその利用率は2割以下と言われています。そうした中で、「たらこ」は毎日の食卓に身近な食品であり、需要はまだまだ掘り起こせると見込んでいます。他の事業者さんに、もし〈スプレス〉さんを紹介することがあるなら「〈スプレス〉さんに頼めば、売り上げは上がりますよ！」と伝えたいぐらい、「ふるさと納税」というフィールドで一緒に戦ってくれる存在です。